《MUMEI》

「──珠季」

「ぇ」

放課後──

千代と帰ろうとしたら

静瑠に呼び止められた。

「何だよ、アタシ何か──」

したか?

「これ」

「ぇ、何だよこれ」

「後で読んでおいてくれ」

「何で後でだよ。‥ってオイ話聞けっつの」

「色々と忙しくてね、あまりゆっくりはしていられない」

「だから何なんだよこの紙──」

「読めば分かるさ」

チラッと振り返って

静瑠は言った。

「それじゃ、僕は失礼するよ」

「ぇ‥、オイ待ちやがれっ」

叫んだ時には──

もうソイツは行っちまってた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫