《MUMEI》 待ち合わせ「お、目立つ集団登場!」 「確かに豪華だな」 「「こんばんは」」 俺達を待っていたのは、四人の男女。 一番先に俺達に気付いたのは、いつもよりテンションの高い守 真司は普通にクールのまま そして、偶然挨拶がハモった女性二人は 真司の彼女となった 『元』花嫁候補の長谷川と 今でも守が好きなのに 未だに花嫁候補な吉野だった。 『撫子ヒマしてるみたいだったし、コイツあんまり友達いないみたいだし。 一緒に回っていいよな?』 そう言う守に、誰も反対しなかった。 (つーか、鈍すぎ) 守が吉野を『撫子』と呼んだ時点で 吉野が祭に来た時点で 守以外の全員は吉野の気持ちに気付いていた。 何故なら、吉野は名前で呼ばれるのも 団体行動するのも 人混みも 大嫌いだと、校内では有名だったからだ。 そして、今も (わかりやすいな) 滅多に笑わないと言われている吉野は 満面の笑みを守に向けていた。 「じゃあ、働く拓磨をからかいに行こうぜ! 志貴さんがいれば奢ってもらえるし!」 何も気付いていない守は脳天気に走り出した。 前へ |次へ |
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