《MUMEI》
大失態
(馬鹿! 俺の馬鹿!)


俺は忙しさのあまり、ある事を忘れていた。


「狭いけど、ちゃんと片付いてるわね、エライエライ」

「ど、どうも…」


(ブ、ブリザード…)


「今、何考えてた?」

「いいいいえ、何も…」


ガチャ


「お邪魔します」

「…ハイ、どうぞ」


そして、ブリザードと太陽に向かって俺は土下座した。


「すみません! 報告忘れてました!」

「いいのよ〜、こうして祐也の部屋に来る口実出来たし、ねぇ、大志?」

「…… ああ、まぁ…」


(絶対怒ってる!)


珍しく目が泳ぐ大志さんを見て、俺の


果穂さんに対する恐怖は倍増した。


「私は毎日メールしてるのになぁ〜 たまの報告も忘れちゃうのかな? ねぇ、祐也?
若いうちからそんなんで、どうするの?」

「…ゴメンナサイ」


忍にだけ報告して安心しきっていた俺は


『夏祭の様子はその日のうちに報告してね。絶対よ?』


という


果穂さんからのメールを


綺麗さっぱり忘れていたのだった。


そして、爽やかな目覚めの後…





今に、至る。

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