《MUMEI》 「うぐあぁぁぁ!!!!!!!」 バキッという音とともに、 凪谷賢史の悲痛な叫び声が聞こえた。 更に骨が折れたような、 鈍い音が響く。 俺と颯ちゃんは目を見開いたまま、 何も言えなかった。 「フゥ……。 スッキリしたぜ。」 彼等は満足そうにせせら笑いあったあと、 部屋を出ていった。 勿論、 証拠として残りそうなものは全て消して。 彼等が出て行ったあと、 ただ沈黙が永遠と続いた。 俺も颯ちゃんもあまりにショック過ぎて声にならなかったし、 凪谷賢史も、 喋れれる状況じゃなかったのだから。 遂に、 凪谷賢史は立っていられず、 その場に崩れ落ちた。 俺と颯ちゃんもあとに続くようにその場に座り込む。 沈黙が、 こんなに恐ろしいと感じたことはなかった。 俺たちはお互い息を殺して、 ひたすら押し黙っていた。 前へ |次へ |
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