《MUMEI》
果穂の企み
「私が何故、一族の中でも異国の血が濃い厳と頼を日本に呼んだかわかるかしら?」


黒髪黒目の高山家の中で、色素の薄いハーフの徹さんや


その子供で、日本人の血が四分の一しかない厳と頼は、確かに浮いた存在だ。


「優秀だからでしょう? だから、二人を日本人と結婚させて、子供が作れない祐のかわりに後継者を作ってほしくてこんな事をしてるんでしょう?」


(何を今更…)


俺は、果穂さんが旦那様と同じ実力主義だと知っている。


実際、性格に問題はあるが、厳と頼は優秀だった。


「それとね、あの二人にも日本で活躍して欲しくて。

だから、アメリカに帰すつもりはないの」

「…それは」

「少なくとも、両親は納得してる」


(じゃあ、後は、本人の意志か)


今のところ、厳は問題無い。


双子は元々日本好きだし、厳は特に大和撫子好きだから。


「…問題は頼ですか?」

「そうね」

「エイミーがどうするかによるが…

あぁ、大丈夫」


そして、果穂さんと大志さんは俺に、笑顔で言った。


「「何とかするから」」


(…)


絶対、何とかしそうな気がした。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫