《MUMEI》
理解者
私が由季と話したあの日から、由季は徐々に変わっていった。

初めは私と同じだと認めたくなかった由季だが、少しずつ話しかけてくれるようになった。

そして、私と由季と愛美、この3人で行動するようになった。

時々愛美が聞いてくる。

「最近、由季が変わったような気がするんだけど、何か言ったの?」

と。

私はいつも同じように答える。

「何も言ってないよ。由季に何があったか知らないけど、大体は、時間が解決してくれるものだよ」

そう言う度に、愛美は納得している。

――本当にいい道具になる。


つい、そう思ってしまう。

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