《MUMEI》

私はまだ、由季に何があったかは知らない。


由季も、私に何があったかは知らない。


でも、由季になら、言えるような気がしていた。


私は由季の事を知りたい。


由季に私の事を知ってほしい。


こんな風に思えたのは、久しぶりだった。



信じてるとか信じてないとかじゃなくて、私のことを理解してくれる人だと思った。


今までそんな人に出会わなかった。


だからこそ、理解してほしい、理解したい、そう思ったんだ。




ある日のこと。


私は由季に呼び出され、屋上に向かった。


由季の顔は、いつになく真剣な顔をしていた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫