《MUMEI》
順調なのは途中まで
「…今のうちに楽しんでおけよ」

「は? 何? 祐也」

「何でもない…」


翌日から俺は、志貴に『頼に優しくなった』と言われた。


それから、俺は夏休みの予定を順調にこなした。


朗読ボランティアも無事に終わった。


着物指導は、正座がまだまだ不安だが、後一回ある。


演劇部の練習も、順調そのものだった。


花火大会では、拓磨はまたバイトしていたが…


途中、抜けて俺達と


俺・頼・志貴・守・吉野と合流した。


志貴は拓磨を『ソース臭い』と言ったが、隣にいる事については何も言わなかった。


生まれて初めて見た花火は本当に美しかった。


そのまま上機嫌で帰れるはずだった。


『撫子、団体平気なんて珍しいよな。

あ、あれか?



祐也か頼が好きなのか?』


花火が終わった瞬間、守が爆弾を落としたのだ。


そうして、俺達は


人混みに消えた吉野を探して


見つからないまま


今に、至る。

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