《MUMEI》
素知らぬ世情
抱きしめた君である脊椎をぱきりと音鳴るまで捻り
中心から出る媚薬を人差し指で押し出し啜る
13回目の悪夢

夜、空の翠に瞬いて電源を探してる
触れ合う温度より離れた涼しさが愛おしい
三年待ってる空しい藍色の私

夢で遭えたら
福音が鳴るのに


夢で逢えるには
空の君では逢えない


硝子に納まる体の小ささ、もっと人は質量があると思っていたもの
何本目が君の栄養なのか、数えながら君の呼吸に合わせて眠る


生命維持装置がチカチカ赤く鳴る寒い夜
漆黒に塗り潰される瞼の裏に口付けしてあげて
透ける青空に溶け込む風を想像しながら手を繋ぐから

どうか二人一緒に幸せな夢を見てて

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