《MUMEI》

由季が落ち着いた頃、私が話し始めた。

「今度は私が話すね」


私は由季に全てを話した。



親が離婚したこと。

兄にやられたこと。

友達に、親に裏切られたこと。

溢れ出そうな気持ちを抑えるために手首を切っていたこと。

復讐しようとしていること。




話していたら、自然に涙が出てきた。

「あいつは私に様々なことをさせた。私は力で勝つこともできず、逆らうこともできなかった。私には言われるがままにするしか終わらせる方法はなかった。死にそうで死にそうで怖かった。途中、叫び続けることしかできなかった。あいつは、私を道具として扱った。でも、親は気づいてくれなかった。私を・・・孤独へと追い込んだ。でも、暗闇で一人で生きることを選んだのは私。そのことに後悔はしていない」

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