《MUMEI》

「決まったか‥?」

「まだ」

「選ぶのに一体何時間かけるつもりだ‥?」

「なっ‥そんなにかかんねーよ‥」

てか

私服のアタシと

スーツのオマエじゃ‥

目立ち過ぎるっての‥。

「んじゃ‥これ」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「‥ぁ‥?」

「本当にそれでいいのか‥?」

「どれでも好きなもん選んでいいっつったのオマエじゃねーか」

「別に否定はしていない。只──‥」

「ただ何だよ」

「意外だと思っただけさ」

「は‥?」

「──苺のケーキでいいんだね」

「‥ぁぁ。つーか何だよ意外って」

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