《MUMEI》

「静瑠──」

「‥?」

「オマエって‥天才じゃねーなら何なんだ‥?」

「綾瀬静瑠──ただそれだけだ」

「よく‥分かんねーんだけど」

「僕は天才≠ナも優等生≠ナも馬鹿≠ナも無い。──僕は僕≠セ」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「君だってそうだろう?」

「アタ‥シ‥?」

そーいや

考えた事もなかった。

アタシって──

何なんだろ。

コイツが言うみたいに‥

アタシはアタシだって──

そう思っていーのかな‥。

強がって‥

背伸びして‥

そんな風にずっとやって来たアタシは──‥。

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