《MUMEI》

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その夜…



『ううぅぉぉぁ…っ………!!』



火で焼かれたように熱痒い頭皮の感触に、兼松の眠りは妨げられた。



狂ったように髪を掻き毟ると…



『糞!!なんだ!これはー!!』



その指の間には、尋常ではない量の毛髪が絡まっていた。



壁一枚を隔てた隣室では…



『…クククク……………。』



男鹿は、うめき苦しむ兼松を他所に、ベッドでせせら笑っていた…。



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