《MUMEI》

「タマキ」

「‥ぇ」

「ほら」

「ぁ、‥ぁぁ」

差し出されたケーキの皿を‥

どぎまぎしながら引き寄せる。

「どうしたんだ、暗い顔をして」

「‥別に」

フォークを取って‥

ケーキの先っぽを切る。

「───────」

「どうだい」

「‥んまい」

ケーキなんて食うの

誕生日以来だな‥。

「って‥何見てんだよ」

「僕の視線の先に君がいるから、必然的に見てしまっているというだけさ」

「オマエも食えよ」

「言われなくても食べるよ」

静瑠は

モンブランを切り取って

口に運んだ。

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