《MUMEI》

体育館を出たクロたち。


予定表ではすでに赤高の試合は終わっている時間であったが、


Bコートへと向かった。










「あれ?
まだやってんじゃん。」


「ホントすね。」








赤高はまだ試合途中だった。







「14対12?
競ってんじゃん。」


「27分…
もう終わりますね。」








ベンチへ向かうクロたち。







「速攻!!」


関谷が速攻に走る。


「あっ…」


村木のパスの起動がずれる。


「やっ…」


その起動に合わせようと方向を変える関谷だったが、


「くっ…!!」


一瞬転びそうになる関谷。


なんとか体勢を立て直すものの、


パスはコート外へ。







「よっす。」


ベンチにいた日高に声を掛けるクロ。


「クロさん!!
勝ったんですか?」


「僕たちのことはい〜よ。
お前らもうちょい引き離せないの?」








「引き離す?」







「うん。
僕なんかおかしいこと言った?」


「今負けてんすよ?」


「はぁ!?」








「ピー!!」


審判が試合終了の笛を吹く。


14対12。


赤高。


僅差に迫るも初戦を敗北で飾った。

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