《MUMEI》

赤高も海南クラブも、


初戦を終えると時間が空いた。


赤高の選手たちは日陰でパスを繰り返し、


海南クラブの選手たちは試合を観戦していた。








「今シュート打った人かっこ良くない!?」


「え〜?


そう?


あたし的にはキーパーの人の方がタイプだけどな。」


「え〜!?


絶対かっこ良いよ!!


かっこ良いと思わない!?」


「…」


「…?


お〜い。


美紀〜?


聞いてるか〜?」


「えっ?


あぁ、


うん。


かっこ良いと思うよ!!」


「ホントかよ〜!!」







(小太郎たちも来てたんだ…


って言うか何でヤマトくんいるんだろ…?


帰って来たのかな?)








友達と試合を観戦する美紀。


中学の頃にハンド部だった美紀は、


友達にルールを解説しながら試合を見ていた。


どの試合にも上手い選手が出ていることはわかる。


秀皇大学と海南クラブの試合は、


どちらもワンサイドゲームであったが、


他県の強豪同士の試合は、


なかなか見ごたえのある試合だった。


しかし、


目の前の好ゲームよりも、


先にある海南クラブの試合を楽しみにしていた。

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