《MUMEI》

「ふ〜ん…」


思わず声とため息を同時に出すクロ。


上手くいかない赤高の様子は、


試合を観戦していた海南クラブの選手たちの目から見ても明らかだった。







「動きが悪いな。」


「…って言うか外の試合に慣れてない感じが見え見えだな。」


「ミスの感じがそんな感じですね。」


「赤高って外練しないの?」


「や…、


しないってこともないんすけど、


フットワークとかだけですね。


赤高は敷地が狭いんで外でボールを使った練習はできないんすよ。」


「なるほどな〜。」







試合は進む。


試合開始から26分。


スコアは11対12と、


赤高が1点負けている展開であった。


30分で試合が終わるこの練習会のルール。


しかし残り4分で2点差ならば、


十分可能性はある。


「ザザッ!!


ザーッ!!」


椎名の1対1から、


ポストの沖へパスが通る。


「よし!!」


クロ、翔太、安本の3人が揃ってガッツポーズ。








「あ…」







シュートモーションに入った沖の手からこぼれ落ちるボール。


「うっそ…」









11対13。


赤高、


2戦目も勝ち星を上げることはできなかった。

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