《MUMEI》

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翌朝…



兼松の自尊心をかろうじて保っていた薄毛は見事に抜け落ち…



頭の禿げ上がった醜悪極まりない五十路男の面構えが出来上がっていた…。



傍らでは男鹿が、ゲラゲラと笑い転げていた…。



その横面めがけて、憤り立った兼松の拳が振り降ろされた…。



゚・:*:.。*。.:*:・゚*゚・:*:.。*。.:



薬品焼けの跡が残る頭頂から、汚らしいフケ粒が舞い落ちる…。



兼松は忌々しい記憶に苛つきを覚えた。



そんな五十路男の苛立ちを他所に、〆華の札は「松」を捕らえ、2枚のカスを取り札へ加える。



次巡にも10枚に届きそうな勢いだった。

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