《MUMEI》

「それで──君は処分を受けなかったのか?」

「校長に呼び出されて説教食らっただけ」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「それで、校長室から出て来たら──」

『ぁ‥、あのっ』

『? オマエ──』

『ありがと、さっき‥助けてくれて』

『ぇ』

『ありがとっ』

「あん時の千代、──ほんとに嬉しそうに笑ってた」

「それがきっかけで‥友達になったのか──」

「ぁぁ」

「成程な」

静瑠はそう言って──

アタシのショートケーキのクリームを

フォークで掬った。

「オイっ!? 何でアタシのに手ぇ付けてんだよっ」

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