《MUMEI》

「‥で、何なんだよ、それ」

「シュシュ」

「しゅしゅ‥?」

何だそれ‥。

「ヘアアクセサリーの一種だ」

「髪に付けるもんなのか‥?」

「本当に全く知らないんだな‥」

「ふんっ」

「こうやって──髪を束ねる物だ」

「っ!? オイてめッ‥何勝手に人の髪いじって‥」

「動くな。只でさえ君の髪は短くて束ね難いのに‥動かれたら余計にやりにくくなる」

「やんなくていーっつのッ」

「──ほら」

「ぇ」

鏡を見たら‥

アタシの髪は右側が少し束ねられてて──

そこには

水玉模様のシュシュ。

「オマエ‥何で水玉‥」

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