《MUMEI》 「俺もする!」 颯ちゃんはコートへと飛び出すと、 凪谷賢史とボールの奪い合いをし出した。 「俺も!」 俺もそれに加わった。 「あ! やったな、このやろ〜!」 「へ! まだまだ甘いわ、お二人さん!」 「あーずるいよ颯ちゃーん!!」 3人で時の経つのも忘れてサッカーを楽しんだ。 俺も颯ちゃんもサッカーをするのは初めてだ。 だけど、ビックリするぐらい楽しかった。 凪谷賢史の表情も生き生きとしていた。 この時思った。 凪谷賢史は本当にサッカーが好きなんだな。 彼の姿は新聞やテレビで何度も見たのと全く同じだった。 だけど………。 彼にはもう一つの姿があった。 それは、 ついさっきみた、 とても悲惨な姿。 俺に何か出来ることないのかな……。 そんなことをふと思いながら、 サッカーをしていた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |