《MUMEI》 一度目の凱旋。 殺しているのに、英雄と讃えられる矛盾。 人間が潰れる嫌な触感をイツバから学んだ。 イツバは僕等の五感を再現している、気が狂うような精神状態で僕を支えたのはあの男の無機な瞳だ。 殺人が罪にならない……いつも僕の脳裏に過ぎる。 戦争なら、人殺しにならない……ならば、“英雄”ロスト大佐を殺しても…… 僕は気付いているのに夢想する。 あの男は徹底的に自らを安全圏内に入れて、外部どころか内部までも信用していない。 翼人にはチップが内蔵されていて、細胞の数まで情報が握られている。 僕があの男の目から逃れない限り、僕は復讐出来ないのだ。 首輪のように僕を縛る、乱獲され、躾られる。 生まれながらの捕虜だ。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |