《MUMEI》

雹里は白いヴァイオリンを見た後、酒をコップに注いでいる女性を見た。


「あのこのヴァイオリンは?」


「ん?あぁそれは旦那のだよ」


「旦那さんはどうしたんですか?」


「今ね体調崩してね、稼がなきゃいけないんだけどねぇ」


女性はグイッと酒を呑んだ。


「うちの店は旦那のヴァイオリン演奏で人を集めていたんだけど、今じゃこのざまだよ…。

まったくどうしたら良いんだか」

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