《MUMEI》
T・ALICEとNIGHTS
「オレと付き合わない?」
1ヶ月前、生まれて初めて告白というものを受けてしまいました。
「ホントビックリしたー、お前オレが必死の思いを伝えたのに『どこか行くの?』ってなんなんだよ!」
「えー、だってまさか告白されてるなんて思わないじゃん!!」
「あれで告白だって分かんないの珠美ぐらいだろ」
この言葉にむぅーっとむくれるのは、絢咲珠美。
「あはは!!そんなむくれるなよ!!じゃあ、昼休み裏庭でな!!」
「うん!!じゃあ後でね!!」
1ヶ月前に告白した彼氏の久我は、珠美に手を振りながら友達のところへ走って行った。
「珠美〜!!やるじゃん、ラブラブだねぇ〜」
久我を見送っていると、友人の佳緒がにやにやしながら珠美の頭をぽんっと叩いてきた。
「佳緒!!そ、そんなことないよ!!」
珠美は真っ赤になって顔と手をぶんぶんと振る。
「でも、あいつかなりモテるじゃん。取り巻きの女とかにいじめられないといいね」
「そんなことあるわけないじゃん!!あの女の人たちは友達だって言ってたし!!」
「まったく珠美は甘いんだから」
そう、1ヶ月前珠美に告白した(最初本人は自覚ナシ)のは学校1モテる男だった。
「ま、そんなことがあったらあたしがそいつらぶっつぶしてあげるから」
「そんなことしなくていいってば!!」
不敵に笑って力こぶを作ってみせる佳緒を珠美はあわてて止めた。
佳緒は美人なのになんでこんなに男前なんだろう・・・。
珠美がこんなのんきなことを考えている時、ある集団がその光景を見ていた。
「次のALICEはあいつか」
珠美を見てつぶやいた。
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