《MUMEI》

「‥そうだったのか」

「ったりめーだっ。アタシがそんな事‥するかよ」

「なら合点がいくな」

「〜〜〜〜〜〜‥」

「有り難う」

「──ぇ」

「お陰で大事にならずに済んだよ、──有り難う」

「‥れ、礼なんかいらねーっつの‥」

‥熱い。

頬も‥

体も。

「珠季?」

「だぁーッもォっ。オマエといると熱くてしょーがねぇッ」

「フ‥、こんなに空気が冷たいというのに──」

「ォ‥オマエのせいだろっ」

「──元気がいいな、相変わらず」

「悪いかよ!?」

「いいや、その逆だよ」

静瑠は笑って──

空を見上げた。

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