《MUMEI》

「そーかもな」

「?」

「そーかも知んねーな」

「だとしたら僕達は──お互いすれ違っていただけで、仲が悪かった訳では無いのかも知れないね」

「──ぁぁ」

アタシらはずっと──

ほんとの気持ちを上手く言い表せなくて‥

迷って──

悩んで‥。

でも──

悪くはなかったかなって思う。

まぁ

それなりに楽しかったし。

「──ってヤバッ! もう晩飯の時間じゃねーかっ」

「そろそろ帰ろうか、夜道は色々と物騒だからね」

「‥な‥、変な事言うなよ‥」

「僕が付いているんだ。安心してくれ」

「──別に‥オマエになんか守ってもらわなくたって大丈夫だっつの‥」

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