《MUMEI》 合流(変な人だったなぁ) 俺は志貴が指定した待ち合わせ場所に向かいながら、龍さんの事を考えていた。 …が。 (ま、もう会う事は無いよな) 俺に手を振る志貴と頼を見つけた時には その、存在を考えない事にした。 「大丈夫だった!?」 「あぁ」 「だから、平気だって言っただろ?」 (何故お前がそれを言う?) 俺が頼を見つめると 「だって俺、身を持って祐也の強さ体験してるもん」 満面の笑みでそう言った。 「偉そうに言うな」 それは、つまり この中で唯一頼だけが俺を怒らせているという事だった。 「あの…本当に、ありがとうございました」 そう言った吉野の姿は、消える前に戻っていた。 浴衣は守が 髪型は志貴が直したらしい。 「で、二人はちゃんと話し合ったのか?」 「あぁ」 「…」 (何か、…微妙?) 「撫子、片想いの相手がいるのは認めたけど、まだ名前言わないの。 とりあえず、祐也と頼じゃない事は守もわかったけど」 (そこまでわかって何でわかんないんだよ) 小声で説明してくれた志貴と、俺は同時にため息をついた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |