《MUMEI》

「よりによって秀皇かよ…」


「秀皇って言っても海南よりは弱いんだろ?」


「ば〜か!!


前にも教えただろ?


秀皇大附属ってのは聖龍に次ぐ強豪。


まぁ確かにこの前海南に負けたけど…


それは海南のレベルが上がってるからで秀皇が弱くなったわけじゃないんだよ。


普通にやったら俺たちよりずっと強いの!!」


「そうなんすかクロさん?」


「ん〜…?


まぁ〜、


そうだね。


高校生離れした強さは持ってるチームだと思うよ。


僕たちの敵じゃないけど。」


「その…、
僕たちってのは…?」


「海南クラブ。」


「あ〜、
ですよね〜。」








ハンド経験が長く、


秀皇大附属との対戦経験もあるユキヒロや椎名にとって、


秀皇大附属は遠い存在だった。


聖龍高校よりは弱いとはいえ、


秀皇大附属は高校ハンドボール界の超強豪校。


とても勝てる気がしなかった。







「遠い存在すぎて実力がイマイチわかんね〜もん…」


「…」








(…遠い存在のチームの実力なんかより、


自分たちの実力を理解してほしいよ。


全く…)

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