《MUMEI》

「──着いたよ、君の家」

「‥ぉぅ、あんがとな」

「それじゃ、僕はこれで」

「──おい」

「?」

「服返せ」

「ん、ぁぁ──済まない。忘れていた」

「わざとじゃねーよな‥?」

「当たり前だ。窃盗罪で捕まりたくは無いからね」

そう言って──

静瑠はカバンから

2つの袋を出した。

「はい」

「──ぉぅ」

アタシはその袋を受け取って──

静瑠を見つめる。

「どうかしたか‥?」

「いんや、何も」

慌てて目を逸したアタシに

静瑠は

また笑った。

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