《MUMEI》

ジュースにしちゃうんだ……。
光に野菜食べさせるのにいいかも。

「ミニトマトも食べなさい」

光ってミニトマト食べたがらないよな。


「え……やだ」


「フルーツトマトだから。」


「あ、甘い。食べれる。」

すいません、我が家は安い特価トマトしか買わないんです……。


「体が資本なんだから。バランス良く食べなさい。」

光母のその美肌も野菜の効果か……?


「光のお母様も女優さんで通せそうですよね。」


「貴方の方が芸能界向きじゃないかしら。」

確かに光のマネージャーにちょこっとお話されたけれど。


「俺だと色々スキャンダルネタにされてしまいそうですから。」

絶対に叩かれる。
光に迷惑がかかるに決まっているから。


「そうだよ、二人がテレビに出ちゃったら皆のものになっちゃう……」


「なにその理論。」

……かわいいな。


「出ちゃったら誰かが知って好きになる。我が儘だけど俺の国雄や母さんで居て欲しい。」

光は少し甘えるという術を覚えたらしい。


「私も彼もこの年齢では無理があるわ。」

年齢、俺も駄目なんだ……


「母さん、再婚しないの?」

恋人はいると言っていた。


「年下だから分からないわねぇ……」

年下か、やるな。光ママ。


「写メないの?見たいー」

光君は女子高生ですか。


「え、なんで見せなきゃいけないの。」


「ゆくゆくはパパになるかもしれないし。」

ぱぱって……


「仕方ないわね」

意外とあっさり折れてくれた。

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