《MUMEI》

「ん‥」

何か額がひゃっこい‥。

「ってオマエ何してんだよシズルッ」

「いや‥もしかしたらと」

「熱なんかねーよっ。つ‥つーかさっさと手ぇ放せッ」

「フ‥。何だ、戻ったみたいだね──いつもの調子」

「アタシはずっとそーだっつの」

「黙りこくって俯いていてもか?」

「それは‥違うけど」

「まぁ、とにかく──」

「?」

「この間は楽しかったよ」

「──そーだな」

「それ‥」

「ぁ?」

「付けてくれているんだね」

静瑠の視線の先には

アタシの髪を束ねてるピンクのシュシュ。

「ん‥、ぁぁ。使わねーのも勿体ないし‥」

何となく──

付けたかったから。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫