《MUMEI》 「ん‥」 何か額がひゃっこい‥。 「ってオマエ何してんだよシズルッ」 「いや‥もしかしたらと」 「熱なんかねーよっ。つ‥つーかさっさと手ぇ放せッ」 「フ‥。何だ、戻ったみたいだね──いつもの調子」 「アタシはずっとそーだっつの」 「黙りこくって俯いていてもか?」 「それは‥違うけど」 「まぁ、とにかく──」 「?」 「この間は楽しかったよ」 「──そーだな」 「それ‥」 「ぁ?」 「付けてくれているんだね」 静瑠の視線の先には アタシの髪を束ねてるピンクのシュシュ。 「ん‥、ぁぁ。使わねーのも勿体ないし‥」 何となく── 付けたかったから。 前へ |次へ |
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