《MUMEI》

「こうすれば、少しは寒さが和らぐだろう?」

「オマエ、マジで自分のコート‥」

「──フ‥」

「な‥」

何でこのタイミングで笑うんだよ‥。

「──ぁ」

‥雪‥?

「降ってきた──‥」

「予報が当たったね」

「───────」

「珠季?」

「ぃゃ、綺麗だな‥って」

「そうだな──見ているだけなら」

「ん、やっぱオマエも寒ぃんじゃねーの?」

「それは無いよ、只──もうじき屋上には来られなくなるな‥と、ふと思っただけさ」

「‥ぁ」

そっか‥

そーいや──‥

雪降ると閉鎖されちまうんだったよな‥

ここ‥。

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