《MUMEI》

「──なぁ」

「‥?」

「もうすぐ──冬休みだよな」

「そうだね」

「忘れて‥ねーだろーな?」

「ぁぁ、覚えてるよ」

「───────」

「珠季?」

「‥ほら」

「ぇ」

「オマエも入れ」

「僕は別に平気──」

「入れっつってんだから入れよ」

「相変わらずだな──」

苦笑しながら──

静瑠はアタシの隣りに座る。

「珍しいな」

「‥何が」

「君が自分から僕を隣りに座らせるなんて」

「‥ただ、オマエに風邪引かれたら困るからってだけだ」

「──成程な」

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