《MUMEI》

―――…「桜に幕」



兼松が見下ろす視線の先には、鮮やかな薄紅色に彩られた札が放たれていた。



自らの首を締めるような捨て札に、流石の兼松もその意図を計りかねる…



(この女…儂を試しているのか?


…それとも…)



兼松は、〆華の顔を凝視しながら暫時思案に耽った。



すると〆華は落ち着き払った様子で、冷ややかな"挑発"の視線を投げ返してきた…。



(今のうちに稼いでおきなさい…。


いつでも逆点できましてよ…。)



言葉には出さずとも〆華の視線に、そんな含みを感じるのは必然だった。



対峙する二人の間に重苦しい沈黙が流れる…。

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