《MUMEI》 ―――…「桜に幕」 兼松が見下ろす視線の先には、鮮やかな薄紅色に彩られた札が放たれていた。 自らの首を締めるような捨て札に、流石の兼松もその意図を計りかねる… (この女…儂を試しているのか? …それとも…) 兼松は、〆華の顔を凝視しながら暫時思案に耽った。 すると〆華は落ち着き払った様子で、冷ややかな"挑発"の視線を投げ返してきた…。 (今のうちに稼いでおきなさい…。 いつでも逆点できましてよ…。) 言葉には出さずとも〆華の視線に、そんな含みを感じるのは必然だった。 対峙する二人の間に重苦しい沈黙が流れる…。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |