《MUMEI》
宣戦浮告
「六車さん今日、すげー寝てない?」

クラスの誰かが友達と話していた。
寝てるとき先生も私を起こさない。
頭を突かれてもびくともしない。友人の声も私の耳にも届かない。

眠れなかった理由は不確かだった。




「マゼンダ、頂戴。」
一階の廊下でアイツに会った。遠回りして行けば良かった、と後悔した。

「自分で買え」

「マゼンダって呼ぶから。
嫌でしょ。
嫌なら頂戴。」
会話が成り立たない。
私は足元に出されたモップを跨いで帰ろうとした。
モップが急に上がり、バランスが崩れ転んでしまう。
「分かった、部室にいて、待ってて」

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫