《MUMEI》
宣戦浮告
「六車さん今日、すげー寝てない?」
クラスの誰かが友達と話していた。
寝てるとき先生も私を起こさない。
頭を突かれてもびくともしない。友人の声も私の耳にも届かない。
眠れなかった理由は不確かだった。
「マゼンダ、頂戴。」
一階の廊下でアイツに会った。遠回りして行けば良かった、と後悔した。
「自分で買え」
「マゼンダって呼ぶから。
嫌でしょ。
嫌なら頂戴。」
会話が成り立たない。
私は足元に出されたモップを跨いで帰ろうとした。
モップが急に上がり、バランスが崩れ転んでしまう。
「分かった、部室にいて、待ってて」
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