《MUMEI》

「私、サキ御祖母様に花嫁姿を見せる約束をしているのです。」

瞳子さんはウェディング似合いそうだ。


「……きっとお綺麗でしょうね。」

きっと、凄い披露宴だろうな。


「まあ、お上手ね。」

瞳子さんは伏し目がちに頬を赤らめた。
うーん、お嬢様とはこうも清楚なものなのか。

一緒にいるだけでオーラに圧される。
手が震えてスプーンを落としてしまった。


「あ、ごめんなさい!」

急いで足元のスプーンを拾おうと低くなる。

神部も足元のスプーンを拾うようにテーブルの下に潜って俺の耳元で一言、








「瞳子に色目使ってんじゃねーよホモ。」

……ドスのきいた声で囁かれた……。

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