《MUMEI》
約束破っちゃダメですか?
「もしもし…」
俺は平然を装い電話に出た。内心、めちゃくちゃムカついてるけど。
「あ、オレオレ!今何してる?」
オナニーしてたんだよ!!
「…別に?何もしてないけど。何の用だよ?」
「冷たいなぁ…。」
そりゃそうだ!イク寸前で邪魔されたんだから。
「まぁいいや。お前明日の事忘れてねぇよな?」
「明日?」
「カラオケ行くって約束したろ〜?」
「あ…」
そうだ、スッカリ忘れてた。確か…
「何、忘れてた訳?女来るんだぜ?んな大事な日忘れんなよ〜。」
そうそう、女紹介されるんだった…別に大事な日じゃねぇし!つかそりゃ寺田にとっての大事な日だろ!?
「わりぃ。で?もしかしてその確認の電話か?」
「おうよ!電話しといて良かったぜ。案の定忘れてるもんな、お前。」
…思い出させてくれるなよ
「いいか!明日は彼女が出来るかもしんねぇんだから気合い入れて来いよ!!」
気合いって何だよ…
「あぁ、わかった。」
反論したかったが面倒になるから適当に返事をする。「よし。明日7時だからな!じゃあな。」
それだけ言うと寺田は一方的に電話を切った。
ハァ〜…。
忘れていた嫌な事を思い出してドッと溜息が出た。
今までギンギンだった俺の下半身も意気消沈したようだ。すっかり萎んでしまっている。
もう風呂入って寝よ…
まだ寝るには早い時間だかもう何もする気にならなかった。
俺は力無く立ち上がり部屋を出た。
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫