《MUMEI》

「ビー!!」


海南クラブ。


3試合目が始まる。








「聞いてた?」


「聞いてましたよ。」


「調子乗ってんな…」


「まぁまぁ。


それなりに名前の通ったチームじゃないですか。


ま、


社会人リーグのレベルではですけどね。」


「何だよ鉄也。
お前赤高ひいきなわけ?」


「ひいきって言うか…


ま、


リスペクトしてる選手がいることは事実だね。」


「…誰?」


「黒田さん。」


「黒田?


誰?」


「あれ?


麻倉知らないの?


地元組のくせに。」


「知らね。」


「マジ?


俺あの人超リスペクトしてんだけど。」


「つ〜かさ、


お前こそ他県出身のくせに何で知ってんの?」


「ここで見たんだよ。」


「ここ?」


「そ。」


「…練習会か?」


「だよ。


この秀皇大学で黒田さんを見た。


1回だけだけどな。


それからずっとリスペクトしてんの。」


「…あのさぁ?」


「何?」


「お前らの地区ってリスペクトって言葉流行ってんの?」


「え?


こっちってリスペクトリスペクトしてないの?」


「や、
もうわけわからん…」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫