《MUMEI》
Reach
Reach
[ 手を伸ばす ]


「何も知らない裏切り者」

え、と訊ねてみたところで、返事が返ってくることはなかった。混乱しているのか、それとも、狂乱しているのか。セフィロスは迷わずクラウドに刃を向けた。
すでにザックスは手を掛けられていた。ぼろぼろになった体。血が止まらない。

「裏切り者…?」
「そうだ。裏切り者は…ここで死ね」

切っ先がクラウドの首の辺りをさまよう。どこを斬ろうか。きっとそんなことを考えているに違いない。クラウドはギリッと奥歯を鳴らすと、ゆらゆらと揺れていた切っ先を捕まえた。

「意味がわからない」
「ふん、頭が悪い奴は嫌いだな」
「でも、ここで死ぬ気はない」
「ほぅ」

クラウドは刀を退けると、立ち上がった。



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