《MUMEI》

「うるせーなぁ‥」

「本当に相変わらずだな、君は──」

「オマエだってそーじゃん」

「そうだね」

苦笑しながら──

静瑠は

ハンドルを転がすみたいに勢いよく回した。

「ぅわッ、あっぶねオマエ‥いきなり何やって‥」

「君がどういう反応をするかな、と」

「オマエなぁ‥」

アタシで遊ぶなよ‥。

「──ぁ」

「?」

「12時になったら昼飯な」

「なら、店を捜さないとだね」

「いんや」

「ぇ?」

「ま、楽しみにしてな」

「──ぁぁ」

静瑠はキョトンとしながら

膨れ上がったアタシのリュックを

不思議そうに見つめた。

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