《MUMEI》
愛は会社を救う(14)
すると突然、私たちの背後で資料室のドアが開いた。
「藍沢、こんなところで何やってんの!」
振り返ると、総務グループのメンバー・青地知子が立っていた。由香里と共にスマートフォンの資料からピックアップした社員の一人だ。
(こっちから出向く手間が省けたな)
私は心の中でほくそ笑んだ。
「あなた、今日お茶当番でしょ。ポットのお湯、少なくなってたわよ」
普段から余ほど厳しく躾けられているのか、知子のヒステリックな物言いに、由香里はふくよかな身体を縮こまらせた。
「すみません。すぐ行きます」
私に小さく頭を下げ、由香里が小走りに部屋を出て行く。
「ご迷惑をお掛けして申し訳ございません」
知子の方に歩み寄り、私はできるだけ慇懃な物腰を装いつつ頭を下げた。

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