《MUMEI》 「待ってな、今出すから」 リュックのポケットから魔法瓶を出して キャップに中身を注いだ。 「──ほい」 「カフェオレ‥?」 「ぁぁ」 「───────」 「どーだ‥?」 「──美味しい」 ニッコリ笑って 静瑠はもう一口飲んだ。 「甘さも丁度いい」 「そりゃ、何べんも味見したからな」 「ぇ?」 「結構時間かかってさ、その味になるまで」 「───────」 「どーした?」 「──幸せだな、と思ってね」 「ぇ?」 「こんな風に、君にご馳走を振る舞って貰えるとは」 前へ |次へ |
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