《MUMEI》
愛は会社を救う(15)
青地知子。36才、独身。地元の国立大卒業後、2年間の東京本社勤務を経て城下町支店にUターン配属。勤続13年。主に経理畑を歩いてきたが、グループ制導入に伴う部課統廃合で、5年前から総務に異動させられていた。
「派遣社員の方が、勝手にスタッフを使ってもらったら困ります」
暗いブラウンに染められた引っ詰め髪。目尻がリフトアップされる分、愛嬌の無い顔が余計にきつい印象を与えてしまっている。
感情むき出しの眼で私を睨みつける顔も、年齢による化粧乗りの悪さが目立ち始めていた。
「私が無理を言って藍沢さんにお願いしました。申し訳ございませんでした」
再び頭を下げると、知子は「ふんっ」と鼻を鳴らしてこちらに背を向けた。
その後姿は、メリハリに乏しい典型的な日本人体型で、豊かな丸みのある若い由香里と比較すると、女性的な魅力には断然乏しかった。

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