《MUMEI》

5時になって──

やっと暗くなってきた。

そろそろだな──。

「珠季?」

「観覧車、行こーぜ」

「今からか?」

「いーからほら、行くぞ静瑠」

「───────」

静瑠は黙って

アタシの後を付いて来る。

観覧車に乗り込んで──

馬車の時と同じように

向かい合って座った。

「──で」

「‥ぇ」

「何かあるんだろう?」

「まだヒミツ」

「仕方無いな──」

「もうちょっと高いとこまで行ったら出すから」

「出す?」

「‥だから、もうちょっと待ってろ」

「ぁぁ、──分かった」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫