《MUMEI》
踊りばかりな三日間
お盆の三日間。


俺は、夕方になると、志貴・柊・頼によって、盆踊りの会場まで強制連行された。


当然だが、俺は地元の踊りも、全国的に有名らしい炭鉱節も知らなかった。


それは、アメリカ育ちの厳と頼も同じ


…だと、思っていた、のに。


「何でお前等完璧に踊れるんだよ!?」


(踊れないの俺だけじゃんか!)


「「ん? 小さい頃はお盆も日本に来てたから」」

「珍しくハモったな…」


そして、俺は


「私の動き見てればいいから」


常に俺の前で踊る志貴と


「違ってたら言うからね」


妙に張り切る後ろの柊に挟まれ


三日間、延々と踊り続けた。


おかげで、踊りは覚える事が出来た。


最終日


「祐也、ただいま!」


合宿から、守が帰ってきた。


「ただいま、柊」

「希! おかえり」


(…助かった)


バカップルが復活し、柊はようやく俺から離れた。


「…拓磨は?」

「そういえば、真司もいないな」


俺と志貴の言葉に守は顔をしかめた。


「あいつ等は、優秀だから、強豪校の合宿に特別参加だってさ!
どーせ俺は、そこまで才能無いさ!」

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