《MUMEI》
どこまでも鈍感
「…付き合うって、俺と撫子が?」

「だって抱き合ってるし」

「いや? これは昔からやってるコミュニケーション、だけど?」





「ハァ!? 何言ってんの!? 昔からって、小さい頃ならともかく、今はマズイでしょうが!」


(そうだよな、志貴も怒るよな)


「…あ! もしかして、これセクハラか!? ごめんな、撫子」


守は慌てて吉野を解放した。


「い、いえ…」

「もうしないからな〜、撫子の好きな奴が誤解したら困るし」


「「この鈍感!!」」


俺と志貴は怒鳴った。


「え? あ! え!? な、撫子!」

「兄様の…バカー!!」


吉野は、花火大会と同じように走り出した。


「「追いかけろ! バカー!!」」

「は、ハイィ!」


守は真っ青になって走り出した。


今回は、会場も狭いし人も花火大会の時より少ない。


(自力で見つけろ! 馬鹿守!)


俺と志貴は、その場から動かなかった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫