《MUMEI》 どこまでも鈍感「…付き合うって、俺と撫子が?」 「だって抱き合ってるし」 「いや? これは昔からやってるコミュニケーション、だけど?」 … 「ハァ!? 何言ってんの!? 昔からって、小さい頃ならともかく、今はマズイでしょうが!」 (そうだよな、志貴も怒るよな) 「…あ! もしかして、これセクハラか!? ごめんな、撫子」 守は慌てて吉野を解放した。 「い、いえ…」 「もうしないからな〜、撫子の好きな奴が誤解したら困るし」 「「この鈍感!!」」 俺と志貴は怒鳴った。 「え? あ! え!? な、撫子!」 「兄様の…バカー!!」 吉野は、花火大会と同じように走り出した。 「「追いかけろ! バカー!!」」 「は、ハイィ!」 守は真っ青になって走り出した。 今回は、会場も狭いし人も花火大会の時より少ない。 (自力で見つけろ! 馬鹿守!) 俺と志貴は、その場から動かなかった。 前へ |次へ |
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