《MUMEI》
繋がり
「あの、龍さんとはいつ知り合ったの?」

「私が中学生の時にね。高校生の龍さんがうちに遊びに来たの」

「誰と、遊びに?」

「誰とだと思う?」


志穂さんの言葉に、志貴と俺は考えた。


(大さんだけは、無いよなぁ…)


どう考えても、あの美形で優等生な大さんと、龍さんが知り合いとは思えない。


それは、志貴も同じだったらしく


「お祖母ちゃんじゃない?」


結局、果穂さんの知り合いと予想を立てた。


「まぁ、知らないわけはないと思うけど…」

「じゃあ、誰?」

「秘密。さ、頑張って踊ってきて? お友達も帰ってきたし」

「「あ…」」


俺達の視線の先には、放心状態の守がいた。


「過去より今が大切よ」


志穂さんはそう言って笑った。


(相変わらず、だなぁ)


何気ない志穂さんの言葉は、俺の心に響いた。


「そう、ですね」


俺は守の所に行った。


「あ、私も行く!」


志貴も後に続いた。


「守」

「祐也、どうしよう、俺…

撫子、俺が好きなんだって…

うわぁ、…知らなかった。
つーか何で俺?」


守は混乱中だった。

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