《MUMEI》

アラタは食欲も無く、シャワーのみ浴びて眠ることにした。






久しぶりの深い眠りに安堵し、ベットに身を任せた。

腹部に威圧感
重いものがのしかかり、
動けない


まだ闇に目が慣れない


金縛りではない
手首の痛み
頭を振って抵抗する。
強引に舐め回される顔面

吐き気がする、誰か……
「……っン」

叫ぼうにも何を言えばいいかわからない。
そもそも、誰かが助けに来るなんてあるものか。
この部屋は人が周りに住んでないから選んだ

信じられるのは自分自身。他は全部、どうぶつ、むし



「アラタ!」
別の男の声だ。
体が軽くなる、
ベットのすぐ横にある大きな窓から出ていったようだ。多分侵入もそこからだ。

「逃がしたか……あれだけ戸締まり注意したのに鍵開けたてたな!」
壁を叩く。

「信じられない、ずっと廊下に居たの?」

「燈影が最初に気が付いたんだ。次の日から交代制で配備するようになった。やり過ぎな奴らもいたようだけど、免罪は一度きりというのがルールだからね。
今日は不覚にも篝に気を取られていた、その隙に侵入してきたんだな」
陽炎が両手を軽く振って言った。

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