《MUMEI》

紫吾は予備の包帯を出すと、出血を防ぐため腕をキツく縛った。


「俺が舐めた方が早くね?」


『そう言いながら、お前は塁羅の血を飲む可能性があるからダメだ。

それに魔法で受けた攻撃を治せるのか?』


「いや…分からない。俺たち吸血鬼が治せる傷は、血が出る切り傷とか擦り傷とかだから、魔法の傷は分からない。」


『じゃあ無理かもな。』


紫吾は塁羅をおんぶした。


「やってみなきゃ、分からないだろっ!」

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