《MUMEI》

「わ〜!すげえ!!一軒家じゃん!!」
鍵開けて部屋に入るなりバフッとシングルベッドにダイブした聖ちゃん。
安っぽいベッドがギシギシ軋んだ。








田舎のカラオケボックスのような部屋と言ったら良いのだろうか?

外見がドピンクで何ていうかとにかく安っぽくて、マジでチャチくて、部屋の中もめちゃめちゃ、チャチかった。


床を踏み締めるとギシギシいって、風呂場を覗くと小さなユニットバス、ひび割れた便器、黴だらけのクロス……。


安い訳が分かった…みたいな。
パソコンの画像じゃ綺麗に写ってたけど現実は有り得ないボロくそさだった。


「聖ちゃんごめん、せっかくのクリスマスにこんなとこ…」

六畳あるかないかの空間にペンション特有の小さなシングルベッド。





そこから聖ちゃんはゆっくりと起き上がり、俺を見上げた。


「なんで謝んの?俺こんなとこ始めてでスゲー感動してるのに…、



貢ありがとう、






スゲーうれしい…










「……聖……」



はにかんだ笑顔の後聖ちゃんは両手をばっと広げてきて

「みつぐ〜!ぎゅう!」
「ひ!ひじりぃッッッッッ!!」





バフッとベッドにダイブ、聖ちゃんをぎゅうぎゅう抱きしめてベッドに沈めた。

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